当院の取り組み
- HOME
- 当院の取り組み
早期発見・早期治療
動物は言葉が話せません。私たちは、来院された動物たちの診察はできますが、連れてきていただくのは他の誰でもなく、飼い主様です。「なんかいつもと様子が違うな?」や「最近どうしたのかな?」などの裏に重要な病気が潜んでいる可能性もあります。そんないつもと様子が違うことから考えられる原因をいくつか挙げてみましたので、早速確認してみてください。また、これらは時間の経過とともに変化してきますので、時々チェックしてみてください。
Check1 飲水量や尿量の変化
「最近、暑くもないのに今まで以上に水を飲むようになった」これは、何らかの病気のサインかも知れません。飲水量が多くなる場合は、腎臓病、心臓病、ホルモンの異常など、様々な病気のひとつの症状でもあります。
飲水量が多いなと感じたら、一度、量を測定してみてください。ワンちゃんの場合、体重1kgの子が、1日あたり100ml以上飲んでいると、「多飲」と考えられます。また、ネコちゃんの場合は、1kgの子が1日あたり50ml以上で「多飲」となります。また、腎臓病やホルモンの異常での多飲がある場合、おしっこの色が薄くなったり、回数や量が増えたりすることもあります。これを「多尿」といいます。
Check2 日々の体重測定
体重は、健康のバロメーターのひとつです。定期的な体重測定は日々の健康チェックの基本ともいえます。測定方法は動物用の体重計があれば一番ですが、ない場合は、動物と一緒に体重計に乗り、その数値からご自分の体重を引いた値がざっと動物の体重になります。動物の体重管理だけでなく、自分自身の体重管理も可能かもしれませんね。
体重が持続的に痩せてくると、何らかの異常を動物が訴えている可能性があります。たとえば、ネコちゃんでは「甲状腺機能亢進症」という病気があります。これは、人のバセドウ病に類似しています。この病気では、しっかり食べているのに痩せてくることがあります。逆に肥満は、様々な病気の引き金や悪化因子になります。今食べている量が適切な食事量かどうか計算できる計算シートを用意してみたので試してみてください。
Check3 咳はしていませんか?
咳は、重大な病気のサインとなり得ます。それは、ワンちゃんの死因第1位の「心臓病」による場合があるからです。咳は、肺や気管支の異常(肺炎や気管支炎・喘息など)で起こる場合と、心臓病のために起こる場合があります。咳がよく出るようになった時に観察してほしいポイントがあります。
- 時間帯(ずっとしているのか、それとも昼間だけや夜中・明け方に多いのか)
- 咳の種類(ゴホゴホ、カーカー、ケッケッなど※表現が難しい場合は動画の撮影が便利)
- 咳をしている時の舌の色(紫色っぽくなっていませんか?)
その他にも、病気のサインになる症状はたくさんあります。少しでも「あれ?」と思ったら病院に相談してください!特に、日頃から食欲や排泄(便や尿の色など)に気をかけてみてあげてください。そんな小さなことから異変に気づくことがあります。
動物ドックのすすめ
近年ペットを取り巻く環境の変化、食生活の変化などにより、寿命が年々伸びています。それにともない高齢疾患が増える傾向にあり、動物も人間同様に生活習慣病(心臓病や糖尿病など)や悪性腫瘍が増加しています。
これらの病気は医学の発達により、定期的な健康診断(動物ドック)で未然に防ぐことや、早期発見、早期治療が可能です。早期発見、早期治療は動物に掛かる負担はもちろんのこと、治療に掛かる費用の軽減にも繋がります。
対象動物 | 犬、猫、ウサギ、フェレット |
---|---|
検査項目 | 問診、一般身体検査、尿検査、レントゲン検査(胸部・腹部)、血液検査(CBC、各種血液生化学検査) |
所要時間 | 15~30分(混雑状況にもよります) |
これらの検査データを基に総合的な判定を獣医師が詳しくご説明いたします。
また、検査結果は専用用紙にまとめ、お持ち帰りいただくことが可能です。※獣医師が1頭1頭手書きでコメントを書きます!
早期発見、早期治療はもちろんのこと、健康時のデータを知っておくことは万が一病気になった時に大変役立ちます。みなさんの大切な家族の一員が、健やかで幸せな毎日を送れるよう、定期的な健康診断を是非ご検討ください。
お腹を大きく開けない「腹腔鏡手術」
近年、医療現場では「より安全でより高度な技術」として腹腔鏡手術が注目を浴びています。腹腔鏡下手術は腹部に5mm程度の小さな穴を3ヶ所程開け、そこからカメラと手術器具を挿入し、画像を見ながら患部を切除する手術です。
メリット
- 従来の開腹手術(大きな傷1ヶ所)に比べ、術後の痛みや炎症がはるかに小さくて済む。
- 開腹手術に比べて出血が少なく臓器が乾いた空気に触れないために、臓器の損傷が少ない。
- 画像は拡大されているため、肉眼よりも正確に見られる。
- 最大のメリットは「お腹を大きく切らない」ことにより、体への負担が比較的少なく、またキズが小さいため、術後の回復が開腹手術に比べ早く、入院期間が短くて済む。
デメリット
- 手術機器が高価であること。当院ではより良好な視野確保のためにデジタル・ハイビジョンを導入しています。
- 遠隔操作であるため、腹腔内での操作範囲に限界があることと、実際に患部に触れられないこと。
以上のことから、この手術には特別な設備そして、技術が必要になることはいうまでもありません。当院では九州大学医学部で技術研修を行った獣医師が、日々多くの症例に取り組んでおります。
麻酔処置に関する注意点
麻酔をかける前
- 当日、絶食や絶水の指示が出ている場合は、その指示に従ってください。
→麻酔をかける処置日の前日21時以降の食事は控えてください。この際、水分補給はOKです。
→麻酔をかける処置日の当日の朝6時以降は水分補給も控えてください。
- 来院時間は10時頃までです。遅くても10時30分までには病院にお越しください。
→もし万が一遅れる場合には、病院までご連絡をお願いいたします。
- 当日、もし食事をしてしまった場合は処置を延期しますので、この場合も病院にご連絡ください。
- 処置に際して、内金をいただきますので10,000円のご用意をお願いいたします。(現金のみ)
帰宅後
- 帰宅中の様子も時々観察してください。
- 帰宅後は、1時間程度安静に過ごします。同居の動物たちがいる場合は、十分に配慮をお願いいたします。
- 嘔吐や下痢がない場合は、少量のお水を与えてください。
- その後、嘔吐や下痢がなく、飲み込みづらい仕草がない場合は食事を少量ずつ与えます。
- 日帰りの場合は、いつもの食事量の約1/4~1/3程度まで与えてもらってもかまいません。
- 翌日からは通常通りの生活をしてもかまいません。
手術の場合
- 抜糸は約10~14日程度で行います。
- 傷口をなめるようであれば、エリザベスカラーや服などを装着します。
→これらを装着した状態で水や食事が自分でできるか十分に観察してください。
- 投薬の指示が出ている場合はこれに従ってください。
- 約1週間経過後、一度傷口の状態を見せてください。
その他、いつもと違う様子や、何か疑問に思うことがあれば速やかに病院までご連絡ください。